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高齢者や病気の回復を助ける セラピードッグ

こんにちは!
グレイスカウンセリング心理カウンセラーのかなう美保です。


皆さんはセラピードッグについてお聞きになったことがありますか?「名犬チロリ」と言う本で、私はセラピードッグについて知りました。


セラピードッグというのは、高齢者や病気の方の回復を助ける犬の事を言います。セラピードッグが働きかけで、失われた記憶が戻ったり、動かなかった体が動いたりするんだそうです。

アメリカでは歴史の長いセラピードッグですが、もともと血統書付きの優秀な犬の活躍の場でした。

だから日本で第1号となったチロリは、それまでのセラピードッグとは全く違っていました。

ゴミ置き場から拾われ、セラピードッグになったチロリ


それまでのセラピードッグと違ってチロリは雑種でした。

元の飼い主の暴力うけ足を引きずるようになったチロリは、ゴミ捨て場に捨てられていました。そして危うく殺処分になるところを、日本でもセラピードッグの育成を考えていた大木トオルさんに救われたんです。

耳は折れ、足を引きずって歩くチロリに大木さんは、セラピードッグとしての訓練をはじめました。

セラピードッグになるためには、アイコンタクトや、同速歩行など40もの訓練を、マスターしなくてはいけません。

叩かれた記憶に震えだすチロリ

その訓練の中には杖を使って歩く人に歩調に合わせるケインウォークというものがあるそうです。

ある時ケインウォークを教えるために杖を取り出すと、前の飼い主にいつも棒で叩かれていたのでしょう、チロリはガタガタと震えだしました。

そんな震えるチロリを大木さんは抱きしめ、家に連れて帰り寝食を共にして、もう杖は怖がらなくていいのだと辛抱強く教えたそうです。

杖を怖がらなくなったチロリはその後、血統書の犬が2年半かかる訓練を、わずか半年でクリアして、周りの人を驚かせました。

心を取り戻した長谷川さん

セラピードッグになったチロリは、ある時老人施設で暮らす長谷川さんという男性に出会いました。

九十歳を超えていた長谷川さんは働きかけても、誰が働きかけても、まるで物のように無反応でした。歩くことはおろか、すでに声を出すことすらできなくなっていたんです。

そんな長谷川さんを、チロリは訪問のたびに、愛情深いまなざしでじっと見つめたそうです。

そんな2ヶ月間が過ぎた頃、突然長谷川さんが「チ、チロリ」と名前を呼びました。

それは長谷川さんが、心を取り戻した瞬間でした。

長谷川さんに名前を呼ばれるとチロリは、変形したその手を優しくなめました。すると長谷川さんの目から涙が溢れました。

そしてその後長谷川さんは、チロリと一緒に歩く練習を始めたのだそうです。

愛情が前向きな気持ち取り戻す


体の機能を取り戻そうとするとき一番難しいことは、何だと思いますか?本人の意欲を引き出すことなのだそうです。

もう気力がなくなり、自分に対して諦めている人に、いくら「できますよ!」「頑張りましょう!」言っても、何の効果もないといいます。

誰でもいろんな事があったり、人との関わり合いや、競争に疲れて前向きな気持ちがもてないことってありますよね。

でもチロリはどうして前向きな気持ちを引き出すことができるんでしょう?

「それは、チロリの愛情が本物だから。」と大木さんはいいます。


「人は人生の終わりに近づくほど、本物の優しさに出会いたがっている…」


そうかもしれませんね。

前向きになりたくない気持ちにも寄り添う


ロリの愛情には、偽りがありません。

「歩きたくない。」そんな気持ちにも寄り添ってくれるチロリの愛情が、「もう一度歩いてみようかな。」という気持ちを引き出したんですね。

自己肯定感がもてないとか、アダルドチルドレンや、引きこもりやうつなど、どんな悩みでも同じだなと思います。

つらい経験をしたからこそ、痛みがわかる

チロリは、なぜたくさんの人をいやすセラピードッグになることができたんでしょう?

それは痛みを知っているからじゃないかと大木さんは言います。

虐待をうけて、ごみのように捨てられていたチロリ。一生人間を恨んだとしも不思議はありませんよね。

でもその痛みを乗り越えて、もう一度人間を信じたからこそ、人の痛みに寄り添えるセラピードッグになれたのではないでしょうか。

人間も同じかもしれません。つらい経験をしたからこそ、人の痛みがわかるようになる。そういう事ってありますよね!

今日の話、皆さんはどう思いますか?

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著者 心理カウンセラー/講演家 かなう美保  
12歳までの記憶を失う体験をする。生まれつき重い障害の娘を自宅で看護し、自らの手の中で天国に送った。中学生の息子の頭にこぶし大の腫瘍ができ、頭蓋骨が3㎝の半円状に溶ける経験をした。発達障害が理由で先生からいじめられ不登校から引きこもりになった息子の話を聞き寄り添い、やがて息子は自ら勉強を始め大学に入学、社会復帰を果たしている。

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