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生まれつきもっていない愛
不愛想な待合室に赤ちゃんが一人来たとたん、周りのみんなが笑顔になった、こんな光景を皆さんもご覧になったことがあるかもしれません。
何もできないはずの小さな赤ちゃんに、どうしてそんな力があるんでしょう?
赤ちゃんを見ていると、人間というのは与える愛をもって生まれてくるのだなと感じるんです。
でもそんな赤ちゃんたちでも、生まれるときにもっていない愛が一つだけあるんです。
それは、自分を愛し、自分を大切にする自分への愛です。
自己肯定感が低くなる理由
私たちは生まれた後、親に愛され、大切にされることで初めて、自分は愛するに値する人間なのだと知ることができます。
でも前回お話ししたような家庭で育った場合、自己肯定感を得るためにも大切な、自分を愛する愛はなかなか身につきません。
心理的に近すぎたり、遠すぎる親は、自分自身の不安感の払拭や、周囲への優越感のために「計算が早い」とか「漢字が書ける」というようなわかりやすい成果を子供に期待するので、子供の気持ちが置き去りにされるからです。
気持ちが置き去りにされ、無視されてしまうとてしまうと、自分を愛する愛が育たないんです。
そのことは、自己肯定感の低さの原因になったり、引きこもりや不登校、アダルトチルドレン、自傷行為などの様々な生きづらさの原因にもなっていきます。
前回お聴きになって、今まではそれが親の愛情だと考えていたのに、実はそうでもなかったかもしれないと感じた方もいらしたかもしれません。
そんな風に、いろいろなことがわかってくること、現実に向き合うことには、辛さが伴います。
それは自分の一部が死んでいくような感覚かもしれません。でもその先には本当の自由があるんです。
自己肯定感を高めるために必要なステップ
自己肯定感を高めて、いろいろ問題から自由になるためには、三つのプロセスを通る必要があります。今日はそのことについてお話しします。
三つのプロセス、それは1.否認 2.怒り 3.受容です。
否認はあなたを守ってきた
第一のプロセス事実の否認というのは事実を認めないということです。
私たちは普段から、さまざまな場面で事実の否認を使っています。信じられないようなことを聞いた時、「ウソ!」と思わず言ってしまうのも、その気持ちの表れかもしれません。
私たちは、自分にとって現実が辛すぎるとき、無意識にその現実を否認することで自分を守ろうとするんです。
「自分は親に愛されていなかった。」これほど私たちにとってつらい現実はありません。
なぜなら自分が愛されない自分には、価値がないと考えてしまうからです。
勿論本当は、親の愛情には全然関係なく、あなたはかけがえのない、他にはかえることのできない、価値のある人です。
でも自分を愛する愛をもって生まれてこなった私たちは、「親すら愛してくれない自分を、いったい誰が愛せるんだろう。」と考えるんです。
自分には愛される価値がないと信じてしまったら、私たちは生きていくことができません。だから事実を否認して、自分の命を守ってきたんです。
だから否認は決して悪い事ではないんです。
第2ステップ 怒り
自分を守ってきてくれた事実の否認という防御を解くことができるぐらい、あなたの中に事実に向き合る強さが育ってくると、第2のプロセス、怒りに移行します。
今もしあなたが親に怒りを感じているとしたら、それも良いことです。
怒りというのは「もっと、ちゃんと愛してほしかった。」という悲しみの表れだからです。
怒りを通る時、ある意味私たちは小さな死を体験します。
だから自分の怒りを外に出して、感じることを恐れてる人というは意外と多いようです。
いったん怒りだしたら止まらなくなるかもという心配することもあります。でも大丈夫です。
正しい形で怒りを表現し、きちんと過去を悲しむと、怒りは徐々に和らいでいきます。
もし怒りがあまりに大きくて心配だったら、それを助けることができる友人やカウンセラーに相談するのはいい事です。
変えられる未来のために変えられない過去を受け入れる‐受容
怒りや悲しみという変えられない過去の現実をありのままの受け入れる小さな心の死を通り抜けると、第3のステップへと変化していきます。
この第3ステップまで来た人は、変えられる未来のために自由に生きることができます。
今まであなたを苦しめてきた悩みは、深い幸せを味わうための贈り物へと変化していきます。
今日の話皆さんはどう思いましたか?
悩みはあなたと家族がもっと幸せになるための贈り物!
大丈夫!あなたにもできます!
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著者 心理カウンセラー/講演家 かなう美保
12歳までの記憶を失う体験をする。生まれつき重い障害の娘を自宅で看護し、自らの手の中で天国に送った。中学生の息子の頭にこぶし大の腫瘍ができ、頭蓋骨が3㎝の半円状に溶ける経験をした。発達障害が理由で先生からいじめられ不登校から引きこもりになった息子の話を聞き寄り添い、やがて息子は自ら勉強を始め大学に入学、社会復帰を果たしている。詳しいことは https://kanaumiho.com/
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