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答えがでないと先には進めない
子供の虐待に関する悲しいニュースをたびたび耳にします。
虐待を受けて育った人は大人になっても
「なぜ自分がこんな目に合ったのか。」
「親が言うように自分は悪い子だったからなのか。それとも違う理由があったのか。」と悩みます。
答えがでないと先には進めないからです。
子供を守るべき親が、どうして子供を虐待をするんでしょう?
今日は暴力で虐待をする親の心理についてお話します。
親はどんな時に虐待する?
親はどんな時に子供に暴力を振るうのでしょう?
「いうことを聞かないからついカッとなった」という理由や、
「ちゃんとした人間にするためにしつけ」と称してふるわれる暴力、
また子供には全然関係のない仕事や人間関係のストレスのはけ口として現われる暴力もあります。
親の心の中には、もともと敵がいる
暴力を振るう親は一見強く見えますが、その内面は自信のない人ばかりです。
「虐待する親の心の中には敵がいる」と言った人がいます。
敵というのは過去に愛してくれなかった自分の親だったり、自分を認めてくれない社会かもしれません。
本来そこへ向かうべき怒りを、立場の弱い子供に向けるのが虐待だというんです。
確かにそういう面もあります。
すべての暴力は、自分より弱い人を思い通りに力で支配することを目的としています。その証拠に相手が自分より強くなった時暴力はすぐに止みます。
しつけと虐待の線引き
しつけと虐待の線引きはどこにあるんでしょう?
子供の将来のために、親として厳しく叱ることが必要な時もありますよね。
虐待する親の中には、
「子供がわざと困らせるから」
「子供が挑発したから。」
「子供が人前で恥をかかせたから。」こういった被害者意識で虐待していることもあります。
でももし子供が生意気な態度をとっても、「それはよくない。」と目を見てきっぱり伝えればすむことです。
しつけだと言い張る親
虐待する親の9割は、「これはしつけだ。」と言います。
明らかな暴力でも、なおそういう言葉が出てくるのはなぜでしょう。
一つは、子供を一人の人間というよりも、自分の所有物としてモノのようにとらえている親の自己中心性です。
親は自分の行動が、理不尽だと知ってるから、正当化するというパターンもあります。
自信がなく自分の行動の過ちが受け入られないという理由もあります。
虐待連鎖と生きづらさの理由
二つ目は自分自身虐待されて育ったために、それしか方法を知らないというケースです。
でも自分が被害者だったのなら、その子供の気持ちもわかるはずですよね。それなのに同じことをするのはなぜでしょう。
すべての子供は親から愛されたときにはじめて、自分に価値があると思えます。だから親に愛されないことは、子供にとっていのちに関わるような重大な問題です。
そこで「自分が悪い子だから。」「親は、本当は自分のことを思ってくれている。」と曲解するんです。
愛されていないという事実を認めるよりも、そう考えるほうが楽だからです。
自分のせいにしている限り「もっといい子になれば、きっと愛してもらえる。」と希望をもつこともできるからです。
親は幼稚で自己中心、その責任は親にあるという事実を認めてしまえば、それに対し自分は何もできない無力な存在となり、これからよくなっていくかもしれないという希望すらもてません。
だからそうやって自分の心が壊れないように守るんです。
でも生き延びるためのこの戦略は、大人になっても生きづらさをつくる原因になります。
相手が悪い時でも過度に責任を感じたり、自分を責めたり、利用しようとする人から自分を守れなかったり、問題がある人を助け過ぎて依存関係をつくったりします。
また親の虐待を肯定する考え方は、自分自身が親になった時に虐待が連鎖する原因にもなります。
虐待されたのはあなたのせいではない
こんなふうに、虐待にさらされて育った人は、体の痛みだけでなく、親を怒らせる自分は悪い子なのだという心の痛みも抱えて育ちます。
もしあなたが虐待されて育った子であれば、親が怒ったのは自分のせいではなかった。幼稚な親だったから、自己中心な親だったからと、事実を認めていくことが解放のために必要です。
あなたには本当は価値があるのに、怒りのはけ口としてまるで物のように扱われていたことに怒っていいんです。
そしてそのことをたくさん悲しんでください。
怒りにも悲しみにも必ず終わりがあるからです。そこを通った後新しいあなたが必ず生まれてきます。
今日の話皆さんはどう思いましたか?
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著者 心理カウンセラー/講演家 かなう美保
12歳までの記憶を失う体験をする。生まれつき重い障害の娘を自宅で看護し、自らの手の中で天国に送った。中学生の息子の頭にこぶし大の腫瘍ができ、頭蓋骨が3㎝の半円状に溶ける経験をした。発達障害が理由で先生からいじめられ不登校から引きこもりになった息子の話を聞き寄り添い、やがて息子は自ら勉強を始め大学に入学、社会復帰を果たした。
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