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15人に1人がなるうつ病
日本人の15人に1人がなるといううつ病。皆さんもご自分や身近な人のうつ病経験があるかもしれません。
誰であっても人間関係や、仕事に問題があるときは、憂鬱な気分になるものです。
でもうつ病になると、問題はすでに解決しているのに気分が沈んだままになったり、そもそも原因になるような問題がないのに、憂鬱な気分が長く続いて、生活に支障が生じたりするんです。
うつ病になりやすい人の特徴
うつ病は、自分に厳しくて真面目な人、完璧主義の人、周りに気を使う人などがなりやすいと言われています。
こういうとまるでこの特徴が悪い事のようですが、不真面目でいい加減、自分には甘いけど人には厳しい。というのではなかなか周りに受け入れられませんよね。
でもまじめなという特徴は長所だからこそ、歯止めになるものがなくて、不調がでるまでそれを徹底的に続けてしまうということもあるんです。
うつ病は心からのサイン!?
幸せに生きるためには、バランス感覚がとても大事です。
時にはゆっくりしたいと感じるのは人間として当然なのに、あまりに頑張ることに慣れてしまうと、休みたいという感覚すら感じなくなってしまうんです。
心でも体でも不快な症状が出るときには、そうなる原因が必ずあります。
とくに心の症状が出る時というのは、今までの生き方は、もう続けられないというサインを心が送っている時です。
心の葛藤がうつ病をつくっていた
うつ病の時の私たちの心の中は、二つに分かれていてその間に葛藤が生じています。
「ちゃんと頑張らないのは許さない！」という自分と「そうやってずっと無理をさせてきたことに怒っている！もうこれ以上は嫌！」という自分との間の葛藤です。
以前と同じように頑張れないことを責める自分と、もう疲れ果て、限界までがんばったのに、まだ鞭打ってやらせようとする自分に怒っている、という状態なんです。
もちろん無意識の世界の話ですから、こういう説明を言葉で伝えれば、それで治るというほど単純ではありません。
生きるために必要だった頑張り
私たちがこの世界で生き残っていくためには、気分屋ではいられませんよね。
「今日は休みたい。」と思う日でも頑張って、頑張って起きて家を出なくてはいけません。
そんな風に感情に流されずに、自分を律することのできる人は、周りの尊敬を集めます。
でもそんな人でも、自分を律して頑張り続けることは決して簡単なことではないんです。
感情に制限をかけて頑張ってきた
心の中に葛藤があることは、私たちにとってとても苦しい状態です。
だから「もう嫌だ。」「もう疲れた。」といった感情を感じることを制限するんです。
何も感じずにいる方が、苦労しないですむからです。
だから感情に制限をかけるというのは、もともとは自分を守るためです。
でも制限が長く、強く続きすぎたために、限界が来た時、それが症状のもとになり、新たな苦しみをつくってしまったんです。
本当は嫌だと感じているのにその気持ちを、自分から隠すためには、大きなエネルギーが必要です。
そのための緊張感が、私たちの頑張るエネルギーになっていることもよくあります。
そう考えれば、やればやるほど疲れてしまうのは当然ですよね。
うつ病の回復 3つのステップ
うつ病の回復には3つの段階を通ります。
まず第一ステップでは、それまでできていたことが、できなくなってきて、その事実に驚いて、ショックを受ける段階です。
第2ステップでは、なんとかそれまで通り生き方を取り戻そうと頑張ります。
でもそれは高熱があるままマラソン大会に参加しようとするようなものです。
すでに限界まで頑張っているので、どんなに頑張っても今までと同じように走ることはできません。
体に様々な症状が現れるのは、今まで通りの生き方をなんとか続けようと、もう限界まで頑張った自分にプレッシャーをかけるからなんです。
実はこの時私たちは、生き方の転換を迫られているんです。
生き方の転換
第3ステップは、生き方を転換して、生まれ変わる体験です。
「頑張れない自分」「以前はできていたのに、もうどうにもならない自分」に遭遇すると、私たちは自分に絶望します。
そしてそんな自分を受け入れて、今までの生き方を手放すことは、一度死んで新しく生まれ変わることに匹敵するぐらい、大きな出来事なんです。
この価値観の転換がうまくいかないと、本当に死を選んでしまうこともある命がけの作業なんです。
でも願った通りに生きられない自分、以前はできていたことができない自分、思ったほど強くなかった自分をも受け入れて、そんな自分と和解をし、
そういう自分の存在を許せるにようになるにつれて、うつ病の症状は必要がどんどん改善していって、以前とは違う新しい生き方をしている自分に出会います。
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著者 心理カウンセラー/講演家 かなう美保
12歳までの記憶を失う体験をする。重い障害の娘を自宅で看護し、自らの手の中で天国に送った。息子の頭にこぶし大の腫瘍ができ、頭蓋骨が3㎝の半円状に溶ける経験をした。特別養子縁組により血のつながらない子を我が子として育てた。発達障害のため担任からいじめられ不登校からひきこもりになった息子に寄り添い、やがて息子は大学に入学、現在は子供の気持ちがわかる小学校の先生として働いている。
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