親の愛がプレッシャーに⁉
こんな話を聞いたことがあります。
その地域では、小学生の子供たちの塾の終わりの時刻、夜10時頃になると、子供のお迎えの車が塾の前にずらりと並ぶそうです。
そして迎えに来たお母さんたちは、真冬でも、寒空の下、車の外で子供を待つんです。
なぜ暖かい車の中で待たないのかと聞けば、「我が子が一生懸命がんばっているのだから。」と答えるそうです。
自分のために、寒い中凍えながら待ってくれている親を見て、皆さんなら、
それを愛情と感じるでしょうか?
それともプレッシャーと感じるでしょうか?
そんな子供たちに「もう塾をやめたい!勉強したくない!」と言える自由はあるんでしょうか?
自分に厳しい人が、ひきこもりになりやすい
ひきこもりというと今でも、我慢の足りない人や心の弱い人がなるものという理解をされる方もいるかもしれません。
でも実際には、我慢強くて、自分に厳しい人がひきこもりになることの方が多いんです。
手を抜かずに、我慢を重ねて頑張り続け、限界を超えて自分を追い込んだ結果、身動きが取れなくなった状態が、一般にひきこもりだからです。
ひきこもる人たちの親もまた、自分に厳しい頑張り屋さんが多いです。
しっかりと子供を育て、家事も手を抜かず、栄養も考えた食事を日々つくり、人付き合いもそつなくこなす、こんな親の鏡のような方が多いかもしれません。
親の生真面目さが子供の生きづらさをつくる
でも 親のそんな生真面目さが、子供の生きづらさをつくることも多いようです。
子供は、その成長過程で自分の親から「このぐらいは、がんばらなくては!」という義務感を引き継ぎます。
世代を追うことに引き継いだ義務感は強くなり、祖父母、親、子供と三代目になる頃には、かなり義務感が煮詰まってきます。
子供は親が大好きだから、頑張る親の姿を見て、自分も頑張ろうと走り続けてきたんです。
でも人間、走り続けると言っても限界があります。
疲れた時に、言い訳をして適当にサボったり、手抜きができる家庭なら、子供にとってそこは安心で、リラックスできる場所になります。
でも本来リラックスできるはずの家が、我慢の場になり、家でも外でも、休みなく走り続けなければならないなら、疲れて限界になるのは当然ですよね。
もちろん、真面目さというのはその人の長所でもあります。
日本人の生真面目さが、今の豊かな日本をつくってきてくれました。
でもいい加減ということは、裏を返せば人間らしいということですよね。
大切なのはバランス感覚なんです。
中にはそんな親の生き方を窮屈に感じて、反発をし、違う道を歩む子もいます。
ひきこもりが、なかなか解決しない理由
でも幼いころから聞き分けの良い、優しいタイプの子供たちは、親の意向や気持ちを汲み取って、自分が走り続けることで、期待に応えようとしてきたんです。
一度ひきこもりにはまってしまうとなかなかそれが解決しないのは、なぜそうなったのを理解することがとても難しいからです。
ずっと正しいことを続けてきたのに、うまくいかなくなったら、その原因を見つけることは、とても難しいことですよね。
子供が、自分の期待に応えようとして、ここまで頑張ってきてくれたこと。そしてとうとうこれまでの生き方が限界になってしまったこと。
このことを心から理解して、親自身も正しいと信じてきた、今までの生き方を振り返ることが、方向転換のために必要なことになります。
親が楽になれば、子のひきこもりも解決する
でも親自身が、今までの生き方を続ける体力がある状態だと、子供が自分のために頑張ってきたことがなかなか見えません。
これが、親子が分かり合えないギャップを作ります。
ひきこもりになった人たちの心の中には「ちゃんと親の言うことを聞いて生きてきたのに、うまくいかなかった。」という気持ちがあるんです。
親自身が自分の中の「もう疲れた、休みたい。」という本音を無視して抑圧してきたから、子供の本音も見えないんです。
子供の問題で相談にいらっしゃる親御さんたちは、相談が進むに連れて必ずと言っていいほど、相談の中心が子供の事から、ご自分の生きづらさへと移行していきます。
走り続けてきた自分のいきづらさが少しずつ見えるようになり、
「本当はもっと休みたい!ゆったり過ごしたい!」という抑圧してきた本音に気がついて、
親自身が自分の頑張りを解けるようになってリラックスすると、家の中の空気がゆったりします。
そうなれば子供のひきこもりの問題も解決していきます。
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著者 心理カウンセラー/講演家 かなう美保
12歳までの記憶を失う体験をする。重い障害の娘を自宅で看護し、自らの手の中で天国に送った。息子の頭にこぶし大の腫瘍ができ、頭蓋骨が3㎝の半円状に溶ける経験をした。特別養子縁組により血のつながらない子を我が子として育てている。発達障害のため担任からいじめられ不登校からひきこもりになった息子に寄り添い、やがて息子は大学に入学、現在は子供の気持ちがわかる小学校の先生として働いている。
詳しいことは グレイスカウンセリング https://kanaumiho.com/
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