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アタッチメント
皆さんは アタッチメントという言葉をお聞きになったことがありますか?
アタッチメントというのは、イギリスの 心理学者ジョン・ボウルビィ氏が提唱した理論です。
日本語では愛着という言葉に訳されることもあります。
小さな子供にとってお母さんやお父さんのような保護者は、安全基地のような存在です。
自分が守られているという安心感を通して、私たちは人を信頼することを学びます。
そして、自分を主張しても壊れない安全な関係の中でコミュニケーションを学び、新しいことにチャレンジする力を得ます。
小さな子供を連れて知らない所に行くと、最初はママの膝の上で、周りの様子をじっと観察しているのがわかります。
そして、そこが自分にとって安全な場所だと理解して初めて、その子は周りの探索を始めるんです。
ママから離れるまでの時間は、子供の性格によってそれぞれです。
好奇心が旺盛ですぐ探索を始める子もいれば、慎重な性格で、まずじっくり周りを観察する子もいます。
「うちの子は人見知りだから…」と、子供の心の準備ができる前に、無理に安円地帯から引き離せば、子供の不安は増すだけです。
大人が子供のペースに合わせて待ってあげれば、その子の中でこの世界に対しての安心感が育っていき、人見知りは徐々に改善していきます。
幼いころ自分のアタッチメントが十分だったかどうかという事は、私たちの人生に大きな影響を与えます。
アタッチメント不足は、愛着障害ともいわれ、その影響は多岐にわたります。
今日はとくに、アタッチメント不足による人との距離感についてお話しします。
アタッチメント不足 大人の症状
アタッチメント不足(愛着障害)の人は、主に2つのタイプにわかれます。
1つ目のタイプは、距離を縮めるのが難しいタイプです。
もう一つのタイプは、人との距離が近くなりすぎるタイプです。
このタイプは初めての人にも全く距離感がなく、少し親しくなるだけでべったりと相手に依存する傾向があります。
でも圧倒的に多いは、一つ目の距離を縮められないタイプの方たちです。
親しい関係がうまくつくれない
皆さんはどうでしょうか?
距離を縮められないタイプの人は、嬉しいとか悲しいなどの気持ちを表現することが苦手です。
また物事を白か黒で考えやすいので、どうしても柔軟性が乏しくなります。
そのために新しい環境に適応することに難しさを感じやすいようです。
適切なアタッチメントがなかったことで、自分に対する評価も低くて、人の言葉にとても傷つきやすかったり、落ち込みやすいという特徴があります。
アタッチメント不足、愛着障害のある人は、子供の時人に対する信頼感をうまく育てることができませんでした。
だから自分を守るために、心を閉ざしがちなんです。
でも心を閉ざしたままでは、人と繋がることができないので、心の通いあう親密な関係をうまく築くことができません。
親密な関係を築けるかどうかは、私たちの幸福感に、大きく影響を与えます。
身近な人との関係は特に難しくて、一時うまくいっても、些細なことで関係が壊れてしまったりしやすいんです。
それが孤独感を増幅させます。
アタッチメント不足を解消する
アタッチメント不足の影響で、親密な関係をつくるのが苦手と感じている人は、どうすればいいんでしょう?
そういう方は心の中の安全基地を広げることを考えてください。
信頼できるパートナーや友達、職場の人、カウンセラーに心を開くことをぜひ意識してください。
受け入れてもらえたという体験が安心感や信頼感をつくり、あなたの安全基地が広がっていきます。
心を開くことには、傷つくかもしれないという恐れが伴いますよね。
傷つくことは、確かにつらいことです。
でもたとえ傷ついたとしても、あなたは必ず何かを学んで次に活かすことができるんです。
チャレンジするほうが、誰ともつながらない一生生きるよりずっといいんです。
たとえ傷ついても「自分には必ず立ち直る力がある!」と、自分を信頼してあげてください。
まず自分との関係を親密にする
アタッチメント不足で育った人は、自分に対してとても批判的だったり、否定する気持ちが強いようです。
人と親密な関係を持つ秘訣は、まず自分自身との関係を親密にして、よくしていくことです。
失敗した時など、思わず自分を責める言葉が浮かんだ時に、「大丈夫、大丈夫!」とあなたが本当に聞きたいやさしい言葉を言い直してください。
自分との関係が思いやりに満ちてくると、身近な人とも思いやりに満ちた関係を結べるようにかわっていきます。
アタッチメントは、どんな人でも生まれた後に体得したものなので、生まれつき固定されたものではありません。
だからあなたも、かならずかわれます!
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著者 心理カウンセラー/講演家 かなう美保
12歳までの記憶を失う体験をする。重い障害の娘を自宅で看護し、自らの手の中で天国に送った。息子の頭にこぶし大の腫瘍ができ、頭蓋骨が3㎝の半円状に溶ける経験をした。特別養子縁組により血のつながらない子を我が子として育てている。発達障害のため担任からいじめられ不登校からひきこもりになった息子に寄り添い、やがて息子は大学に入学、現在は子供の気持ちがわかる小学校の先生として働いている。
詳しいことは グレイスカウンセリング https://kanaumiho.com/
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