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認知的不協和ってなに?

皆さんは、認知的不協和という言葉をお聞きになったことがありますか?

認知的不協和理論は、アメリカの心理学者 レオン・フェスティ が提唱したもので、日本では マーケティングなどに応用されることが多いようです。

人間は、自分の認知つまり、考え方と行動にずれがある状態を不快に感じます。

その不快感を解消するため自分の言動に一貫性をもたせようとする傾向があるんです。

喫煙者でも、長生きする人もいる!?

認知的不協和理論で有名なのは喫煙です。

例えば「タバコを吸うと肺がんなりやすい」と聞いた喫煙者の方が、それでもタバコをやめられないような時、

「タバコより、交通事故で死ぬ人の方が多い!」
「喫煙者でも、長生きする人だっている!」と考えることで、

自分の考えと行動の辻褄を合わせ一致させることをいいます。

でもこれって、たばこで苦労してる人だけの問題じゃないですよね。

やめたいけどやめられない……

「早く寝なくちゃいけないってわかってるのに、夜遅くまでついスマホを見ちゃう…」

「甘いものをやめようと思ってるのに、どうしてもやめられない…」

「貯金すると決めても、ついいろいろ買っちゃう…」

こういう事って、誰でもありますよね?

認知的不協和が起きると、私たちはどういうわけか行動をかえずに、うまいいい訳で自分の行動を正当化します。

こうやって認知的不協和を解決してつじつまを合わせる事は、悪い習慣を断ち切ることを難しくさせているんです。

メリットがあるからやめられない

でもどうして私たちは行動をかえないで、言い訳をする方に動いてしまうんでしょう?

意志が弱いからでしょうか?

決断が足りないからでしょうか?

それは、そのやめたいと思ってる行動には、隠れたメリットがあるなんからです。

その隠れたメリットを見つけることが、やめたいことをやめられる秘訣なんです!

やめられないメリット

例えば「夜スマホを見ることは、寝不足にはなるけど、日中のストレスを軽減できる」というメリットがあるのかもしれません。

スイーツの食べ過ぎも、「将来健康を害したり、太るかもしれないけれど、でも現在の不安を打ち消すことはできる」というメリットがあるのかもしれません。

お金を使いすぎは、「貯金ができなくて将来困るかもしれないけど、今抱えている ストレスを発散できる」というメリットがあるのかもしれないし、

お酒の飲み過ぎは「健康に良くないけれど、とりあえず嫌なことを忘れられる。」というメリットがあるのかもしれません。

どうでしょう?

こんな風に、やめられないことにも、ちゃんと理由があるんです。

それを無視して、強い意思だけで乗り越えようとすると難しいんです。

やめると決めてもできない自分を嫌悪するだけだったら、自己肯定感は下がるばかりですよね。

やめたい習慣を断ち切る方法

では、どうやってその習慣をやめることができるんでしょう?

実際に悪い習慣を断ち切るには、

「どうしてそれをしたいのか」
「それをすることのメリットはなんだろう?」と考えて、

自分の本当のニーズを見つけていくことがカギになります。

紙を一枚用意してみてください。

そして「この習慣には、どんなメリットがあるんだろう?」
「そのメリットで、自分はどんな気持ちになってるかな?」という質問を繰り返していってください。

例えば「夜遅くまでスマホを見てしまう」という習慣を変えたいなら、

最初の質問「この習慣には、どんなメリットがあるんだろう?」の答えは、「楽しいから。」かもしれません。

そしたら次に「その楽しさから、どんなことが得られてるかな?」と質問をします。

そんな風に質問を繰り返すことで、自分が本当のニーズを見つけ出していくんです。

そして心の奥に隠れている自分の欲求や気持ちがわかったら、それを本当に満たせるいい方法を考えてほしいんです。

やめたい習慣から得られるメリットを掘り下げることで、自分の本物のニーズを満たしていくことができれば、その習慣自体が不必要なものになっていきます。

だから最後には、スマホを見ることでそのニーズが本当に満たされてきたのかということを確認してみてください。

ほとんど場合やめられない習慣を続けても、結局満たされてなかったという答えになるからです。

「やめようと思ってもやめられない」自分に向き合うことは、新しい自分になっていくきっかけになります。
自分の中の矛盾した考えに向き合うことは、本当の意味での勇気が必要です。

でも自分を深く理解していくと、今までは、やめられない自分を責めていただけだったけれど、そんな自分に対して、「よく頑張って生きてきたんだね!」と慈しむ気持ちをもてるようになります。

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著者 心理カウンセラー/講演家 かなう美保  
12歳までの記憶を失う体験をする。重い障害の娘を自宅で看護し、自らの手の中で天国に送った。息子の頭にこぶし大の腫瘍ができ、頭蓋骨が3㎝の半円状に溶ける経験をした。特別養子縁組により血のつながらない子を我が子として育てている。発達障害のため担任からいじめられ不登校からひきこもりになった息子に寄り添い、やがて息子は大学に入学、現在は子供の気持ちがわかる小学校の先生として働いている。 

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