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孤独を感じてる人は、意外に多い

夫婦、友達、職場など、周りにたくさん人はいるのに、何となく孤独を感じている人は、意外に多いようです。

迷惑をかけることは 悪いこと!?

ところで皆さんは、子供の時に「人に迷惑をかけてはいけない。」と言われて育ちましたか?

「人に迷惑をかけない。」という言葉は、私たち日本人にとっては、当たり前の言葉ですが、

アメリカでは、子供を育てるときに「人の役に立つ人になりなさい。」

中国では「困っている人を助ける人になりなさい。」と教えるのだそうです。

ちょっと、ニュアンスが違いますよね。

「人に迷惑をかけてはいけない。」ということばには、迷惑をかけることは悪いこと。という前提があります。

確かに、子供に周りの人の事も考えるように、公共マナーを教えることは、必要なことですよね。

でも「人に迷惑をかけるな。」言われて育ったことで、

自分が本当に困っている時でも、「こんなことを頼んだら、相手は迷惑かもしれない。」と考えてしまって迷惑な存在になることで嫌われることを怖れて、助けを求めづらくなってしまうという面もあるんです。

そんな「迷惑をかけてはいけない。」という考えが、孤独をつくっている側面もあります。

なぜなら、素直な自分を出さなければ、私たちは人と結びつくことができないからです。

例えば、あなたの大切な人が、「あなたに迷惑をかけたくない。」と気を遣って、

本当はとても困っているのに、もし何も話してくれなかったら、なんだか信頼されてないような、距離をおかれているような気持ちにならないでしょうか?

「きっと、信頼してくれてないんだなぁ」って感じると思います。

助けてもらうのって、難しい

それでも私たちは、自分が迷惑をかけることをとても恐れているんです。

なぜなんでしょう?

親が厳しかった人ほど、本当は困っていても「弱音を吐いちゃダメ。」「しっかりしなくちゃ。」と考えて、助けを求められなくなる傾向が強いようです。

また夫婦関係やお金の問題などで親が苦労している姿を見て育った場合も、「自分だけは、迷惑をかけないようにしよう。」と親に気を使う子供になります。

どちらにしても、無邪気で天真爛漫な子供時代ではなかったということですよね。

こんな風に、子供の時から気を遣って生きてきたことで、そのままの自分で人と結びつくことに慣れてないと、気を遣わない人間関係をつくることが難しいんです。

基本的人間不信

そのままの自分が受け入れられた経験の乏しい人は、基本的に人間不信です。

無邪気にそのままの気持ちを伝えて来られなかったのだから、人間不信になるのは当然なんです。

でもどんなにあなたがいい人になるよう努力したとしても、人間不信のままでは、信頼関係を築くことは難しんです。

いい我慢と悪い我慢

我慢には、良い我慢 と 悪い我慢があります。

見た目は同じですが、心の中が全く違います。

良い我慢は、つらさを開放している状態です。

つまり人に甘えたり 人を頼って、自分のつらさを吐き出しながら、乗り越えていく状態です。

それに対して悪い我慢は、ただただつらい気持ちを抑圧して抑え込んでいる状態です。

人間は誰でも限界はあるので、抑圧状態が長くなれば、こらえきれずに爆発するか、全ての心のエネルギーを使い尽くして、うつ病になるかどちらかです。

良い我慢ができるようになるには、まず自分が弱い人間だと認めることが必要です。

弱さを認めなければ、本当の意味では強くはなれません。

相手の迷惑になって嫌われるかもしれないという恐れを乗り越えて、弱い自分も見せて、

そして素直な自分が受け入れられる体験をすることで、はじめて深い信頼関係をつくることができるんです。

孤独になりたくないから、頑張る

人間はみんな、孤独になることを最も恐れています。

小さい時に素直な自分が受け入れられた温かい体験の少ない人は、ずっと孤独でしたから、とくに孤独への恐怖が強いんです。

そして孤独になりたくないから、人に評価され、受け入れられようとして頑張ります。

でも弱音を吐かずに我慢し続けることが、さらなる孤独をつくるんです。

私たちは安心して くつろげる場所、何を言っても大丈夫な素直な自分が受け入れられる場所があることで、初めて 健全に頑張ることができます。

だらだらしていても大丈夫な場所があるから、外では頑張ることができるんです。

みんな、助けられて生きてる

私たちは助けられたり、助けたりしながら生きています。

みんな同じです。

だから迷惑をかけたら、嫌われるんじゃないかという怖れを乗り越えて、せめて親しい人の前では素直な自分を出していきたいですね

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著者 心理カウンセラー/講演家 かなう美保  
12歳までの記憶を失う体験をする。重い障害の娘を自宅で看護し、自らの手の中で天国に送った。息子の頭にこぶし大の腫瘍ができ、頭蓋骨が3㎝の半円状に溶ける経験をした。特別養子縁組により血のつながらない子を我が子として育てている。発達障害のため担任からいじめられ不登校からひきこもりになった息子に寄り添い、やがて息子は大学に入学、現在は子供の気持ちがわかる小学校の先生として働いている。 

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