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つらい症状が自分を守る!?

こんにちは!
グレイスカウンセリング心理カウンセラーのかなう美保です。

あるお医者さんがこんな話をしていました。

「この一年コロナで亡くなった方は7500人、一方癌で亡くなる方は毎年38万人。皆さん、がん検診を受ける人が減っています。対策をしながら検診を受けてください。」
なるほどなぁと思いました。

風邪をひくと咳や熱が出ますよね。

咳や熱などの症状は不快なので、少しでも早く症状をなくしたいと誰でも思います。でも皆さんもご存じ通り実は風邪の症状は、私たちの体を守るための反応です。

咳や鼻水は体からウイルスを追い出すためのもの、熱は体内のウイルスを殺すための症状ですよね。

癌のように症状のないまま進行する病気は、自分が病気だと気付かないので深刻になってしまうんです。

でも咳や熱などの不快な症状がある病気は、その自覚症状で気が付いて対処できるから健康を保つことができます。

つまり嫌だなぁと普段感じる症状が、実は私たちの命を守ってくれているということですよね。

うつ病や不安発作、不登校や摂食障害、依存症も自分や家族を守ってる!?


心も同じだなとつくづく思います。

うつ病や不安発作、不登校や摂食障害、依存症も、風邪の症状が体の健康を取り戻そうとしてくれるのと同じで、辛い症状が実は自分を守っているという面があるんです。


どうしても休めない仕事がある時に熱が出て、解熱剤を飲んで無理に熱を下げたために、その後なかなか治らなくて苦労したという経験が皆さんもあるかもしれません。そういう時って人生にはありますよね!

でも体に必要があって熱が出ているのに、それを無理に下げたら、その時は何とかやり過ごせても、結局回復に時間がかかってしまう。

それは心も同じです。

うつ病は治ったけど痴呆になってしまった

以前こんなことがありました。ある女性の50代のお母さんは、もう何年間もうつを患っていました。

会いに行く度元気がなく「死にたい。死にたい。」というお母さんを見るのは、彼女にとってとても辛いことだったんです。

彼女は以前のような元気なお母さんを取り戻したいと思いました。

ある時一瞬で鬱が治せるという医師の本を読んだ彼女は、かかりつけのお医者さんにこの本に書かれているのと同じ処方をして欲しいと頼みました。

ところが「この処方は私には怖くてとてもできない。薬が強すぎる。」とそのかかりつけの医師は断ったと言います。

どうしてもお母さんに元気になってもらいたかった彼女は、嫌がるお母さんを何とか説得し、長時間車を運転してその本を書いた医師の診察を受けました。

そしてそこで処方された薬を服用すると、わずか5時間後にはうつの症状は全くなくなったそうです。

以前の元気なお母さんを取り戻すことができた彼女はとても喜びました。

ところが薬を飲み続けて半年後、元気になったはずの50代のお母さんが突然痴呆になってしまったんです。

実は強すぎるうつ病薬と痴呆症の関係性は、一部ですでに研究発表されています。

彼女は自分がお母さんに無理にその医師を勧めたことを、とても後悔していると言ってました。

もちろん薬はすべてだめという話ではありません。薬はきちんと使えば大きな助けになります。

でも私たちは嫌だなと思うつらい症状も、自分を守ってくれているという視点をもてたら、だいぶ見かたが変わるように思うんです。

誰でもうつ病は不安症、不登校になる可能性はある

忙しすぎて、睡眠が少ないことが風邪をひきやすい理由なら、ちゃんと体を休めることが必要なように、うつや不安症、不登校などがあるときも、自分を責めずにちゃんと休んで、そしてそれまでの頑張ってきた生き方少し緩めるきっかけにできるといいなと思います。

未来がわかる人は誰もいません。だから生きることには常に不安がつきまといます。コロナ禍の今のように先行きがわからない時は直さらです。

でも不安でいっぱいになってしり込みしているわけにはいかないから、不安な気持ちを抑えてみんな頑張るんです。

でも頑張ってる時というのは、「本当は嫌だ~」という気持ちを押さえるから、ある意味自分の一部を切り捨てることになります。

真面目で一生懸命な人ほど思い通りにできない自分に出会う度「こんなことではダメだ!」「もっとがんばれ!」と自分を叱ります。

叱られた自分は、本当は立ち止まりたい気持ちを抑えてもっと頑張ります。こんな風に頑張る姿は、学校でも社会でも家族の中でも褒められますよね。

だから頑張って、頑張って、頑張って、もうがんばれない限界になった時に、人はうつや不登校になるんです。

どうして頑張り始めたんでしょう?受け入れて欲しかったからですよね?自分を認めてほしかったから、愛されたかったから。

誰にも受け入れられず、認めてもらえず、愛されなかったら、私たちは生きていけないからそうするしかなかったんです。

誰も保証してくれない先のわからない世の中で、不安を消すためにがむしゃらに頑張ろうとするのは普通のことなんです。

だから誰でも鬱や不安症や不登校になる可能性があります。

では実際に自分や大切な人がうつになった時はどうすればいんでしょうか。次回はそのことについてお話ししますね。

疲れを知らないスーパーマンもいいかもしれませんが、やっぱり自分の弱さもしっているも人間らしい人に私たちは魅かれますよね!
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かなう美保 プロフィール  心理カウンセラー/講演家
統合失調症でうつ病の母に育てられたことが原因で12歳までの記憶を失う体験をもつ。うまれつき重い障害の娘を自分たちで看護し看取る。ADHDのため先生からいじめられ不登校から引きこもりになった息子の話を聞き寄り添う。やがて息子は自ら勉強を始め大学に入学、社会復帰を果たす
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