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「もう、絶対食べ過ぎない!」と決めたはずなのに、つい誘惑に負けて、「また食べすぎちゃった~」こんな経験がありませんか?

「やらなくちゃ!」と思ってるのに後回しにしてしまったり、「やめなくては!」と思ってるのにやってしまう、こういう事って誰でもありますよね。

今日は誘惑に負けずにセルフコントロールができる自分になる秘訣を考えてみたいと思います!

誘惑に負けた子と負けなかった子有名なマシュマロ実験

スタンフォードの心理学者ウォルター・ミッシェルが行った有名なマシュマロ実験を皆さんはご存じですか?

マシュマロ実験というのは、子供たちの目の前に大好きなマシュマロを一個だけ置いて「15分食べるのを我慢できたらもう一個あげる。」と伝えて部屋を出ます。

そして一人になった後の子供たちが、誘惑にどうやって対処するかを観察する実験なんです。

「今すぐ食べたらマシュマロは一個しか食べれない、でも15分間がんばれば2個食べられる。

そんな大好きなマシュマロを「今すぐ食べたい!」という誘惑と子供たちが必死に戦う姿がすごくかわいい実験なんです。

子供達はみんな、なんとか2個ゲットするため15分頑張ろうとします。

ある子はマシュマロを手に取って匂いだけ嗅いで、テーブルに戻します。

別の子はギュッ目をとつぶって、さらにその上から手で目を覆ってマシュマロが見えないようにします。

でも、15分間頑張って、2個もらえた子は全体の1/3だったそうです。

誘惑に負けてしまった子と負けなかった子の違いって何だったんでしょう?

今すぐの万円と 1ヶ月後の1万100円 

みなさんは、時間割引率という言葉をお聞きになったことがありますか?

時間割引率というのは、同じものをもらう時でも、今すぐもらう方が価値があると私たちが感じることをいいます。つまり同じものでも先の話になれば価値が割引するように人間は感じるということなんです。

例えば皆さんが今すぐ一万円をもらうか、1ヶ月後に1万100円をもらうかのどちらかを選べるとしたら、どちらを選ぶでしょう?

今すぐ1万円か、1ヶ月後に100円アップの1万100円です。

この場合ほとんどの人は「100円損だけど、今すぐ一万円」の方を選びます。

皆さんはどうですか?

でも1ヶ月に100円の利子と考えると、預金なら12%の利息がつくということになります。今の時代、もし12%の預金があったら、みんなそこに全部預金をうつすのではないでしょうか?

でも人間は100円減るとわかっていても、今すぐの方が価値があるように感じてしまうんです。これは時間割引率が、私たちの心理に影響を与えてしまうからです。

誘惑を感じたら、少しだけ先にのばす

では6ヶ月後に1万円もらうか、7ヶ月後に1万100円をもらうか。と聞かれたらどうしますか?

この場合ほとんどの人が「どっちにしろ半年待つんだから、1万100円を選ぼう。」と考えます。

こんな風に、もらえるのがちょっと先の話になると、みんな途端に誘惑に強くなれるんです。

つまり誘惑を感じたら、それを少しだけ先にのばしてみることが、誘惑に勝利する秘訣なんです。

マシュマロをじっと見た子たち

マシュマロ実験の子供たちの映像を分析してみると、こんなことがわかりました。

一人になった部屋でマシュマロに触ったり、匂いを嗅いだり、じっと見たりしてマシュマロにから目をそらさなかった子たちは、誘惑に負けて食べてしまった子が多かったんです。

それに対して誘惑に負けなかった子たちというのは、後ろを向いたり、顔をそらして視界にマシュマロが入らないようにした子たちだというのです。

誘惑に勝ついい環境をつくる!

さらに2018年に再実験したテイラー・ワッツたちによれば、誘惑に勝てるかどうかは、その子の生まれ持った性格以上に、育った家庭の環境が大きく影響していると発表しました。

つまり誘惑に負けない自分になるためには、精神力を鍛えようとするより、そうしやすい環境をつくるということが有効だということなんです。

たとえば食べ過ぎの問題なら、その食べ物を見えない所に片付けてしまったり、その食べ物を食べるには、奥ほうから出さなくてはいけなかったり、箱をいくつも明けないといけなかったり、外に買い物に行かなくてはいけないという、面倒な段階をいくつもつればいいんです。

逆に習慣にしたいものは、目につくところ、すぐ気がつくところに置いておいて、気づいたらすぐ手に取れるようにする。そんな環境をつくっておくと、誘惑に負けずに、やるべきことができる自分になるということなんです。
今日の話皆さんはどう思いましたか?
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著者 心理カウンセラー/講演家 かなう美保  
12歳までの記憶を失う体験をする。生まれつき重い障害の娘を自宅で看護し、自らの手の中で天国に送った。中学生の息子の頭にこぶし大の腫瘍ができ、頭蓋骨が3㎝の半円状に溶ける経験をした。発達障害が理由で先生からいじめられ不登校から引きこもりになった息子の話を聞き寄り添い、やがて息子は自ら勉強を始め大学に入学、社会復帰を果たした。
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