16年目を無事終了できました!いつも聴いてくださってありがとうございます!次回は023年1月13日です。よい年をお迎えください!

5人が殺傷されたバスジャック

2000年5月3日、福岡に向かっていた一台の高速バスが17歳の少年にジャックされました。そしてたまたま乗り合わせていた乗客の方たち5人が殺傷されるという事件が起こったんです。

人生最悪の出来事

その日山田由美子さんは、友人とコンサートに行くために、そのバスに乗っていました。

そこに突然少年が40 cmの刃物を振りかざして、襲いかかってきたんです。

楽しいはずの旅行は一変し、バスの中は血の海になりました。

開いていた窓のために友人は、逆上した少年から「逃げようとした!」と切りつけられて亡くなりました。

山口さん自身も頭や顔など骨が見えるほど十箇所以上切りつけられ、重傷を負いました。

バスは乗っ取られたままなんと15時間、270 km を走行し、翌日の朝ようやく、機動隊の突入によって少年は逮捕されたんです。

山口さんは全身に深い傷を負って、意識もとぎれとぎれの中救急搬送されました。

一命はとりとめましたが、その後十度にもわたる手術が続き、入院期間も長期に及びました。

耐え難い痛みの中で、山口さんは自分の無力さを感じるようになっていったといいます。

何もできない自分も生きていていい

そんなつらさを少しでも和らげようと、看護スタッフの方たちは、献身的に看護しました。

る時は一人の看護師さんが、「山口さんは、コンサートに行くぐらいだから音楽が好きなんでしょう。」とラジカセとテープをもってきてくれたそうです。

何もできない自分なのに献身的に関わってくれるその姿に、山口さんの価値観は変えられていきました。

それまでは頑張ってる自分はいいけれど、頑張れない自分はダメな自分、価値のない自分だ」と信じていたんです。

でもなんにもできない自分が大切にされる体験をしたことで、何もない自分、何もできない自分も生きていていいんだと考えられるようになったといいます。

娘の不登校

当時山口さんの娘は不登校でした。

山口さんは学校も行かずに、ゲームばかりする娘をどうしても受け入れることができませんでした。

「こういう娘でいてほしい。」という思いが強く、

娘が自分の辛い気持ちを訴えても「それぐらい、あなたが頑張ればいいじゃない。」と突っぱねていたといいます。

「自分は本当に傲慢で、何もわかっていなかった。」と当時を振り返って山口さんは言います。

でもそんな山口さんが事件の後、娘さんにはじめて「大変だったね。つらかったんだよね。」と共感できるようになったんです。

俺は犯人を刺すつもりだった

ある時息子が「もしお母さんが殺されていたら、俺は犯人を刺しに行くつもりだった。」というのを聞いて、

山口さんは改めて、「被害者も加害者になるのだ、でもその違いはなんだろう。」と考えたそうです。

そして「どのバスでもよかった。」というその少年も、きっと自分が負った傷と同じぐらいの傷を心に負っていたのだとわかりました。

もし少年の話を聞く人がいれば…

実際事件を起こした少年は、中学時代ひどいいじめにあっていました。

進学した高校にも居場所はなく、それを親に訴えても学校に行かせようとするだけで、話を聞いてくれる人は誰もいなかったといいます。

「もしその少年の身近に話を聞く人がいたらこんな事件は起こらなかった。」そう考えた山口さんはハッピーバーグという子供たちの居場所、そして親の会を始めました。

最悪の出来事が、新しい人生をのきっかけに

楽しいはずのバス旅行で、友人は殺され、自分も生死をさまよう体験をする。

もし山口さんがその少年を一生憎み続けたとしても、誰がそれを咎められるでしょう?

でもこの人生で最悪の出来事は、山口さんが新しい人生を歩むきっかけになったんです。

皆さんは今どんな問題を抱えていらっしゃいますか?

「こんなことさえ起こらなければ…」「なぜだけ自分がこんな目に…」そう感じることがあるかもしれません。

でも悩みが深ければ深いほど、その先にはまったく新しい人生が待っています。

それは悩みを経験した人にだけが見つけられる贈り物です!

聴いてくださっているあなたなら、必ずその贈り物にたどりつけると私は信じています。

今日の話皆さんはどう思いましたか?
悩みはあなたと家族がもっと幸せになるための贈り物!
大丈夫!あなたにもできます!

毎週金曜日に配信しています!
著者 心理カウンセラー/講演家 かなう美保  
12歳までの記憶を失う体験をする。生まれつき重い障害の娘を自宅で看護し、自らの手の中で天国に送った。中学生の息子の頭にこぶし大の腫瘍ができ、頭蓋骨が3㎝の半円状に溶ける経験をした。発達障害が理由で先生からいじめられ不登校から引きこもりになった息子の話を聞き寄り添い、やがて息子は自ら勉強を始め大学に入学、社会復帰を果たした。
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